コラム

  • 下町ロケットより凄い会社-三鷹光器-
     直木賞を受賞した池井戸潤の「下町ロケット」は、町工場がロケットエンジンの燃料バルブを製造してしまうという小説である。 町工場の社長は、国からロケット打上げを任された帝国重工という会社を向こうにまわして一歩も引かない。技術を数億円で買おうという申入れを断って、燃料バルブを自分の工場で作りあげてしまう。 この町工場の技術でロケットが飛ぶという痛快な話で、プライドを持って頑張る町工場の人たちの物語は感動ものでもある。 良くできたフィクションで、本当にこんな会社があったら凄いなあ、と誰しも思う。 ところが、この小説の町工場より、何倍も凄い会社が実際にある。  三鷹光器である。 三鷹光器の創業者中村義一氏は最初三鷹にある東京大学天文台に勤務し、天体望遠鏡等のメンテナンスを担当した...