コラム
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人間の能力は二こぶラクダの背の如し公開日:2013.11.11我国が造船世界一だった頃、造船業界の懸念は次第に進みつつある造船現場の高齢化であった。 造船業の基幹職種である組立職・溶接職・取付職はいずれも若い作業者を必要とした。 鉄製のブロックを組み、それをクレーンで船台に吊り上げ、繋ぎ合わせて船体を建造する。大規模重量物の組立・取付には体力と筋力が必要であり、溶接ではビードを盛る際に視覚集中が必要であった。 屋外の真夏や真冬の作業はそれでなくとも厳しい。特に夏場の焼けた船体の上や中での作業は忍耐心を要する。屋外で大構造物の組立・取付に当たっていた作業者は40歳代半ばを過ぎる辺りから徐々に工場内での小組立などに変わり、溶接職も視覚集中が続かなくなる40歳代半ば頃から徐々に検査職などに変わっていた。造船の検査は溶接個所の検査が中心であっ...