安全運転装備に10万円補助 65歳以上対象、普及後押し

政府は高齢者の運転を手助けする装置などがある安全運転サポート車(サポカー)の購入を補助する制度をつくる。65歳以上の高齢者を対象に原則として新車1台あたり10万円、軽自動車は7万円をめどに助成する方向だ。高齢運転者の事故防止対策を進めるとともに、自動車企業の技術開発と市場育成を後押しする。12月にまとめる経済対策に主要施策として盛り込み、2019年度補正予算案と20年度当初予算案に必要経費を計上する。
高齢者による運転ミスは深刻な社会問題になり、自動車各社が対策を進めている。例えばトヨタ自動車は障害物が近くにある状態でアクセルを踏み込むとブザーが鳴り、急発進を防ぐ後付けの装置を販売している。政府はこうした装置の購入を促す。
(日本経済新聞 11月21日)

高齢者に運転させないことよりも、高齢者が運転しても事故を起こさない車を提供することの方が、社会全体にとって利益がある。新車だけでなく、既存の車も含めた対策が必要だ。既存の車に後付けで踏み間違い防止装置を装着する費用が既に10万円以下になっていることを思えば、非現実的な話ではない。高齢の車の所有者に補助金を配布するというやり方には、議論の余地はあるが、何らかの対策を行うべきだ。

対象も自家用車だけでなく、バス、タクシー、トラックなどの営業車も含めれば、業務で運転する高齢運転手の事故防止につながる。高齢運転者の事故防止策が拡がれば、高齢者の運転手としての雇用の機会も拡大する。人手不足に悩む運輸業にとっては、朗報だろう。