シニアもキャッシュレス決済 クレカ中心に使い分け

「シニア層でキャッシュレス決済に関心をもつ人が少しずつ増えているのを実感する」。ファイナンシャルプランナー(FP)の坂本綾子氏はこう話す。高齢者はこれまで買い物などの支払いで現金志向が強いとされてきたが、顧客から寄せられる家計相談では定年後もクレジットカードなどキャッシュレス決済手段を使っている人が多くなったという。
(日本経済新聞 2月22日)

新型コロナウイルスの感染対策として、現金を使わないキャッシュレス決済が高齢者にも浸透してきた。重症化しやすい高齢者としては、店員との接触を少なくしようとするのは自然なことだ。

加えて、実際に使ってみると便利であることにも気づく。高齢になると財布から現金を数えて払うのも面倒になる。キャッシュレス決済なら、支払うお金を数えることはなく、おつりを確認する必要もない。ポイントももらえるならお得でもある。新型コロナウイルスが終息した後でも、恐らく、高齢者のキャッシュレス決済は続くだろう。

ただ、スマートフォンのアプリによる決済は、まだ、高齢者にはハードルが高いようだ。そもそもスマホを持っていない高齢者も多い。スマホを持っていても、レジでアプリを起動して店員に画面を見せるのは、現金を数えるのより面倒であったりする。企業としては、高齢者の雇用形態に多様性が必要なように、高齢者のキャッシュレス決済の利用形態にも多様な選択肢を用意しておくことが重要だ。