「66歳以上も働く」4割超に、生活設計と年金に関する世論調査

「生活設計と年金に関する世論調査」の結果を内閣府が1日、発表した。「何歳まで仕事をしたいか(したか)」という質問では「66歳以上」と回答した人が42・6%で5年前の前回調査より5ポイント上昇した。最多の回答は、前回と同じく「61~65歳」(28・5%)だったが2・2ポイント減った。「71歳以上」は5ポイント増え、より長く働く傾向が強まっている。
(朝日新聞 3月1日)

マスコミの世論調査と同様に、内閣府の調査でも高齢になっても働き続けたい人が増加していることが示された。65歳までに仕事を辞めようと思う人が減り、66歳以上も働きたいと考える人が増えている。今回の調査は18歳以上を対象にしており、定年間近の層だけでなく若年層も含めて、より高齢まで働くことを希望する姿が明らかになった。

年金の持続可能性に疑問が持たれている中、仕事を続けることによって、長寿リスクをヘッジしようとするのは自然な傾向だ。この調査では、老後資産の準備のためにNISAの活用を挙げた人も約2割に達している。年金と仕事と資産運用が老後の生活を経済的に支える柱だ。ただ、現役時代の収入が多い人は、年金額も多く、運用する資産も大きいが、現役時代の収入が少なければ、年金と資産運用に頼るのは厳しい。社会政策としては、特に、低所得者層に対して、高齢になっても就労を可能にする雇用機会を提供することが課題となる。