役職定年以降の3割減を見直し、京都銀行

㈱京都銀行は、55歳で役職定年を迎えた後の給与水準を引き上げる。ポストオフで基本給が3〜4割減となる現制度を改め、シニア層のモチベーションアップを狙う。一部の人材は、支店長などのポストを外れても給与水準を維持する方向だ。
(労働新聞社 1月24日)

定年後の処遇を改善させる企業が増えているが、定年前に訪れる役職定年以降の給与水準を引き上げる企業も出てきた。定年後に再雇用した場合、今までと仕事が同じなのに給与が下がるのは不公平だという主張もあるが、役職定年の場合は、役職を離任して責任が軽くなり、権限も小さくなるだけに、給与の低下はある程度当然と考えられることが多い。しかし、理由はともあれ、給与が下がればモチベーションも下がるのも事実だ。

役職定年を迎えたということは、少なくとも役職に就く程度には優秀な人材だったということ考えれば、企業としては、そのモチベーションを維持して、引き続き会社に貢献して欲しい。このため、京都銀行は、専任職という職種を設け、全体的に給与水準を引き上げた上で、一部の専任職については役職定年前と同等の給与を支給する。専任職は、組織の長ではないが、専門家として一般社員より大きな権限と責任を持つことになるだろう。職務内容と待遇のバランスはどの企業も悩むところであり、京都銀行の事例は、それを検討する上で、ひとつの参考になる。