働く高齢者、就職支援やリスキリングを後押しする取り組み進む
総務省の調査では2022年、働く高齢者は912万人と過去最多を更新しましたが、その一方で希望する職種と採用側のニーズが合わない「ミスマッチ」が課題だと指摘されています。こうした中で就職の支援や学び直し=リスキリングを後押しする取り組みが進められています。このうち、東京都の公益財団法人「東京しごと財団」は、働き続けたい55歳以上の人を対象にした講習を開いています。2023年度は介護職員やベビーシッター、マンション管理員など20の講習があり、11月から12月にかけて開かれたベビーシッターの講習には14人が参加し、基礎的な知識や子どものけがや病気に対処する方法を学びました。
(NHK 12月28日)
働くことを希望する高齢者の多くは、今までの経験が活かせる仕事を希望する。ただ、そのような職種の求人が十分にあるとは限らない。高齢者の側が、未経験の仕事に踏み出すには、その仕事の内容を理解し、自分に適性があるかどうかを判断する必要がある。そのためには、高齢者に対するリスキリングが有効だ。
介護やベビーシッターの経験のある高齢者は少ないかもしれないが、実践的な講習を受けることによって、業務の実態を知り、業務遂行に必要なノウハウを得ることができる。リスキリングは、新卒採用におけるインターンシップ制度のように、求人と求職の双方にとって、ミスマッチのリスクを低減する上で効果的だ。「東京しごと財団」のような公益財団法人だけでなく、求人企業も積極的に求職者へリスキリングを提供するよう期待する。