東京都の人口、2050年に1439万人 3人に1人高齢者

国立社会保障・人口問題研究所が22日発表した将来推計人口によると、東京都の人口は2040年をピークに減少に転じる見通しだ。14歳以下は減少する一方、65歳以上の高齢者は右肩上がりとなり、50年にはおよそ3人に1人が高齢者となる。少子高齢化が本格的に進む。
20年の国勢調査などをもとに50年までの人口を5年ごとに推計した。20年の東京の人口は1404万8000人だった。40年に1450万7000人でピークとなり、その後は減少に転じる。50年には1439万9000人まで減少する。
(日本経済新聞 12月22日)

全国的に人口減少が続く中、逆に、人口流入によって人口が増加している東京都だが、その東京都も、早晩、人口減少に転じる。この事実は、東京が生み出した富を地方に再分配することによって地方の過疎化の影響を緩和するという国の政策が、いずれ行き詰まることを示唆している。

この状況を打破するには、地方が国の補助金に頼らない自立した経済を確立することが重要だ。そのためには、地方の高齢者の労働参加率を高めて、労働人口を維持するとともに、生産性の低い産業から高い産業へのシフトを行って、地域経済の労働生産性の向上を図る必要がある。国の補助金は、生産性の低い産業の保護ではなく、生産性の高い産業へ労働力を移転することに向けられるべきだ。

一方、東京には、出生率の向上を図り、地方からの人口流入が衰えても労働人口を維持できるよう努力することが求められる。