顔認証で高齢者支援 愛媛・伊方町、DX基盤整備
愛媛県伊方町は高齢者の健康づくりを支えるためのデジタルトランスフォーメーション(DX)基盤を整備する。顔認証技術を活用して町民の活動データを収集・分析、効率的な政策の実現に役立てる。オンライン診療や災害時の活用も視野に入れており、今年度内に基盤を整備して2023年度から運用を始める。町民向けの健康管理サービスや買い物支援、1人で食事をとる「孤食」の解消などの取り組みで、行動履歴などのデータの収集・分析に顔認証技術を利用する。
(日本経済新聞 2月1日)
愛媛県伊方市は、原発があり、財政的には裕福な地方自治体だ。しかし、高齢化の進行によって若い労働力が不足する中、行政の効率化と原発以外の雇用を生む産業の育成が求められている。DXはそうした伊方市の行政と産業を変革する上で、重要な契機となるだろう。
伊方市は、2022年12月に四国電力の情報通信子会社であるSTNetなどとデジタル技術の活用で連携協定を結んだ。原発の資金が伊方市を経由して電力会社に還流する構図だが、これによって、行政のDXが進み、住民サービスの質と効率が向上するのなら、住民にとっては好ましい。
また、今回の高齢者支援のサービスは、高齢化が進む全国の自治体でも需要がある。伊方市で開発するシステムは、他の地域での高齢者の健康管理に役立つ。クラウドサービスとして、ネットワーク経由でサービスを提供すれば、より大きな付加価値を生み、伊方市にリターンをもたらして地域経済の活性化に寄与する可能性もある。