シルバー人材、会員確保へ模索 ICT習得に活路、自主事業拡大も

高齢者に働く機会を提供するシルバー人材センターで会員確保が課題になっている。高齢者の働く環境は近年急速に変わりつつあり、新型コロナウイルスの感染拡大も打撃を与えた。福島県内でもICT(情報通信技術)など時流に合う能力の習得や自主事業拡大を目指す動きが出てきており、各地で再興に向けた模索が続いている。
(福島民友新聞 10月29日)

多くの地域のシルバー人材センターは人材集めに苦労している。退職年齢の上昇や新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあるが、今まで、シルバー人材センターが斡旋してきた仕事が草刈りなどのブルーカラーの業務であったことも人が集まらない理由のひとつだ。ICTなどの最新技術を駆使したホワイトカラーの仕事にも業務範囲を拡大できれば、シルバー人材センターを介した求人、求職は増加するだろう。

ブルーカラーの仕事であっても、ICTの知識は必要だ。たとえば、企業が植栽の剪定を依頼する場合は、請求書に作業の前後の写真を証憑として添付しなければならない。ところが、シルバー人材センターによっては、担当の高齢者がスマートフォンで写真撮影できないという理由で写真の添付を断ってきた。そのため、法人需要を獲得することができず、個人宅の草刈りだけを請け負う状態が続いている。機会損失を回避するには、常識的なICTの教育を業務に関わらず行うべきだ。