高齢者無理なく労働いきいき、菓子製造「恵那川上屋」が大臣表彰

高齢者を積極的に雇用し、働きやすい職場環境をつくっている企業を選ぶ「高年齢者活躍企業コンテスト」で、岐阜県恵那市の菓子製造販売業「恵那川上屋」=キーマーク=が、厚生労働大臣表彰の最優秀賞を受賞した。65歳定年制と希望者全員の70歳までの再雇用制度、さらに70歳からは年齢の上限を設けず一定の条件を満たせば再雇用している点などが評価された。
(朝日新聞 10月25日)

高年齢者活躍企業コンテストの厚生労働大臣表彰の最優秀賞は1社だけだ。恵那川上屋は、希望者全員を 70 歳まで再雇用し、一定条件の下、70 歳以降も年齢の定めなく再雇用するという継続雇用制度を用意している点では、他の受賞企業と同様だが、高年齢者が多いパート社員について、「役務遂行レベルを定義したクラス制度、人事評価制度、時給制度を実施し、年2回の昇給を設けることで、パート社員の戦力化と定着を促進している」(厚生労働省:厚生労働大臣表彰受賞企業事例概要)など、パート社員全体に年齢と関係なく評価する人事制度を導入している点が評価された。

また、高齢者が体力的に無理なく働ける作業環境の整備にも力を入れている。栗の色彩を識別する作業や、栗きんとんを紙で包装する作業では、機械化によって作業負荷を軽減した。食材であるトマトの栽培では、座ったままで籠ごと移動できる作業車で収穫作業を行うなど、体への負荷を軽減する工夫をしている。

いずれも、高齢者が働きやすくなる取り組みだが、同時に、高齢者以外のすべての世代の従業員にとってもメリットのある施策だ。高齢化社会では、従業員全体の働きやすさを追求しつつ、高齢であっても働ける環境を整備することが重要になる。