鹿児島県職員65歳定年へ、役職定年制や給与7割水準

鹿児島県職員の定年を巡る県と県地方公務員労働組合協議会(県公労)の交渉が5日までに、現行の60歳から65歳に延長することで妥結した。来年度から2031年度まで9年間で段階的に引き上げる。県は9日開会する県議会9月定例会に関連条例案を提案する見通しだ。国家公務員の定年延長を受け、23年4月に改正地方公務員法が施行されることに伴う対応。平均寿命の伸長などを踏まえ、経験豊富な人材の活用を促す狙いがある。
(南日本新聞 9月6日)

国家公務員が定年延長となったことで、全国の地方自治体でも職員の定年延長が相次いでいる。都道府県の場合、都道府県庁に勤務する知事部局だけでなく、警察や県立学校など多くの組織が対象となるため、職員の数は多い。特に、地方では、最大の雇用を抱えている組織が地方自治体であったりもするので、地域社会全体に与える影響も大きくなる。

鹿児島県の制度は、60歳を超えると役職定年となり、給与はそれまでの7割とするなど、国の改正国家公務員法と同じだ。この制度が各地域での高齢者就労モデルとなり、公務員制度を雛形として、同様の人事制度が地域の民間企業にも一定程度浸透していくと思われる。元々、改正国家公務員法は大企業の人事制度を参考にして制定された。これが、地方自治体を通じて、地方の地場企業に広がることで、結果として大企業から全国の中小企業まで、同様な人事制度が広がることになりそうだ。