「赤ちゃん職員」、高齢者施設に元気をお届け
北九州市にある入居者数約120人の高齢者施設がちょっと変わった「職員」を採用している。それは、赤ちゃんだ。
(中略)
この取り組みは2021年にわずか1人の赤ちゃんから始まったが、今では32人の赤ちゃんが「雇用者」だ。大部分が近隣の家庭の子どもたちだという。この取り組みは入居者の間でも好評だ。権頭理事長によれば、多くの人たちが赤ちゃんを遠くから目にするだけで笑顔になり、中には赤ちゃんと交流するために自分で車いすを動かす人もいる。
(CNN.co.jp 9月2日)
高齢者施設と保育園を隣接させ、子どもと高齢者の交流を図ることは、よく行われるようになってきた。しかし、赤ちゃんを高齢者施設の雇用者にするのはユニークだ。確かに、赤ちゃんには、雇用するに値する能力がある。
高齢者がしだいに運動しなくなるのは、体力が衰えるだけでなく、動こうという意欲が減退するからだと言われている。赤ちゃんが側にいれば、高齢者も自ずと動いて赤ちゃんに接しようとする。廻りの大人を笑顔にする能力では、赤ちゃんは卓越した存在だ。
この高齢者施設を運営する社会福祉法人「もやい聖友会」は、他に、保育園「もやいのおうち」や放課後デイサービス「もやいのえんがわ」も運営している。今後、こうした子ども向けの施設とも交流していくことも可能だろう。もやい聖友会は、これからの社会福祉法人のひとつのモデルを提示している。