シルバー人材センター、女性会員拡大に力

各地のシルバー人材センターが、女性会員の拡大に力を入れている。定年の延長やコロナ禍などの影響で全体の会員数が減少傾向にある中、女性のスキルを生かしやすい仕事を用意したり、交流イベントを開いたりして存在をアピール。会員獲得の実を結ぶ取り組みも出始めている。
 女性ら二十人が懐かしい歌謡曲に合わせて踊る。七月中旬、愛知県蒲郡市で開かれた健康体操講座。主催したのは、同市シルバー人材センターの女性部会「がマダム1000」だ。
(東京新聞 8月1日)

元々、シルバー人材センターが斡旋する業務は、植木の剪定など屋外で体を使う仕事が多く、男性向きだった。男性会員が多かったので、男性向きの仕事を開発してきたという経緯もある。女性会員を増やすには、女性がより活躍できる業務を開拓しなければならない。

蒲郡市シルバー人材センターの女性部会「がマダム1000」は、子育て世帯の家事支援を始めた。家事は主婦として培ってきた女性のノウハウが活かせる仕事だ。加えて、地域社会の少子化対策としても意味がある。平均所得が低いにも関わらず沖縄県の出生率が高い理由のひとつは、大家族と地域の助け合いによって子育てを支援してもらえることだ。シルバー人材センターの女性会員が子育て世帯の家事支援を行えば、地域の出生率の向上に寄与するだろう。

日本の出生率の問題点のひとつは、夫婦ともに高学歴、高収入の世帯でも出生率が低いことだ。こうした家庭の出生率を上げるには、経済的な支援ではなく、時間の支援が重要になる。シニア女性は、その大きな担い手になり得る。