地域の子育てにシニアが一役

「子どもと接していると気持ちが若返る。自分にとっても大切な時間だ」。東京都青梅市の藤橋小学校での放課後子ども教室「夕やけランド」に、教育活動サポーターとして4年前から参加する中沢延嘉さん(69)はこう話す。
(中略)
子育てを地域で支えようという動きが広がるなか、担い手としてシニア世代に期待する声が出ている。活躍の場はありそうだ。求められる役割は学校や児童館での遊び相手やキャリア教育、学習や運動の支援だけではない。他にも登下校時の見守りなど様々な関わり方がある。
(日本経済新聞 8月3日)

シルバー人材センターも子育て世代への家事支援サービスを始めているが、地域の子育てにシニアの力を期待しているのは、シルバー人材センターだけではない。各地の自治体やNPOも子育て支援にシニアの参加を呼びかけている。

青梅市の場合は、家事支援ではなく、シニアが直接、小学校で放課後の子どもの世話を手伝ってきた。自身の子どもの世話もあまりしてこなかった男性シニアの中には、子どもとの接し方に戸惑う人もいるが、それはそれで、男性シニアにも子どもにも互いに新たな発見があって面白い。むしろ、教育界とは距離のある世界で生きてきた経験を子どもたちに伝えることに意味があったりもする。子どもたちにとって、親や教師とは異なる立場の大人と接するのはよい経験だ。シニアにとっては、あまり大きな収入につながらないとしても、生きがいを感じられる仕事のひとつだ。