定年退職後も存在意義を感じたい人は他人と交流?
定年退職後も自分の存在意義を感じたい人は、人と交流するのが良いようだ。米ワシントン大学のGabrielle Pfund氏らが実施した研究により、他者とのポジティブな社会的交流が高齢者の目的意識に関連していることが明らかにされた。
(中略)
平均年齢70.75歳の成人104人を対象に、合計で15日間(1回当たり5日を6カ月の間隔をあけて計3回)にわたり、1日に3回、社会的な交流の質を問う質問に回答してもらい、毎晩の締めくくりには、その日どのくらい自分の人生に目的があると感じられたかを5段階で評価してもらった。
(@DIME 7月27日)
「人生の目的とは何か」という問いに、普遍的な解を求めるのは難しい。人によって異なるし、一人の人でも置かれた環境や時の流れと共に変わるものだ。ただ、人生の目的の内容は違っていても、それがあると実感するのは、他者との交流の場であることが多い。
ギリシャの哲学者アリストテレスは、「人間は、ポリス的な動物であり、社会的共同体を作ろうとするものだ」と言った。そうであるなら、共同体の中での自分の役割や貢献に気づいたとき、自然と人生の目的を感じるものなのかもしれない。逆に、人生の目的を達成するために仕事やボランティアをしても、その社会の中で評価されないと、目的を見失うこともある。人間にとって、人生の目的と社会的交流とは切っても切れない関係だ。
ただし、自分の人生に目的があると感じるには「ポジティブな社会的交流」でなければならない。仕事もボランティアも時として厳しい状況に置かれることもあるが、共同体の中では常にポジティブ・シンキングに徹することが重要だ。