毎月の通信費「わからない」が最多!? 高齢者のスマホ事情

電話やメールのほか、カメラやナビなど、多機能なスマートフォンは、現代人にとってインフラといっても過言ではないほど欠かせないアイテムの一つです。
(中略)
興味深いのは、大手通信電話事業者を利用している人で最も回答率が高かったのが毎月の通信費が「分からない」と答えた点。一方で、格安スマホ事業者を利用する高齢者は、分からないと回答する人の割合は各年齢で1割未満。格安スマホを使用する人は、マネーリテラシーが高く、毎月通信費としてどの程度の出費があるのかを把握できている実態が浮き彫りになりました。
(フィナンシャルフィールド 6月29日)

通信費に関する回答は、総務省の令和2年通信利用動向調査によるものだ。当時、総務省は政権の意向もあって携帯電話料金の引き下げに動いていた。利用者全体の通信費を低減させるには、格安スマホが存在しているのに割高な大手通信電話事業者から利用者が離れない理由を探る必要がある。

調査の結果が示すように、通信費に関心がある人は格安スマホに乗り換え、関心のない人は大手通信電話事業者のままにしておく傾向がある。高齢者は通信費に関心のない人が多いため、格安スマホの利用は少なかった。ただ、通信費への無関心をマネーリテラシーの低さに結びつけるのは飛躍があるのかもしれない。通信費に関心のない高齢者でも、百円安い商品を求めて遠くのスーパーへ行くこともある。要は、通信費が高いかどうかを認識できていないことが原因であり、ITリテラシー、あるいは、携帯電話リテラシーの問題だ。

携帯電話だけでなく、料金体系の制度設計をするときには、高齢者でも理解しやすい仕組みにすべきだ。