女性がより多くの「老後資金」を必要とする5つの理由

退職後のために貯金をすることは、将来に向けた準備としては重要だ。もちろん誰でも退職後を見据えて蓄えをつくるべきなのだが、とりわけ女性は貯金を増やす必要がある。ところが、女性は一般に退職後の蓄えが少なく、また将来に向けて貯金や投資をする能力に影響を与えるような、女性ならではの経済的問題に直面している。退職後の生活は、老後の計画のすべてと言ってもいい。そして、女性は男性よりも長生きすることが多いため、一般的にはより多くの蓄えが必要になる。
(MONEY INSIDER 6月14日)

この記事は、米国の女性に関するものだが、女性がより多くの老後資金を必要とする理由として、以下を挙げている。
子育てや高齢の両親の介護など無給の労働を担うことが多く、男女間の賃金格差もあり経済的問題に直面している。
パートタイムの比率が高く、退職金や年金が十分に得られない人が多い。
夫との死別や離婚後に収入が大きく減少する。
男性より長生きする。
高齢女性の収入は高齢男性の収入よりも少ない。

程度の差こそあれ、日本の女性も同様の問題に直面している。日本の方が、男女間の賃金格差は大きいし、パートタイムの比率も高い。その分、女性の老後資金の問題はより深刻だ。この問題の解決は難しいが、軽減するには、自己責任の努力だけでなく、行政の関与も必要になる。たとえば、女性高齢者の雇用機会の拡大は、経済的問題の軽減に役立つ。女性には長生きするリスクがあるが、健康寿命が長いことは長く働けるという強みでもある。健康寿命を延ばし、働く機会を増やすことについては、行政にも責任の一端がある。