「定年後も働く」6割超 人生100年時代「いつまで働けば」
健康である限り働き続けるか、それとも悠々自適の日々を過ごすか。読者会議のメンバーに定年後の働き方について聞いたところ、さまざまな意見が寄せられました。人生観に直結する問題であり、簡単には割り切れない実態が浮き彫りになりました。
定年後にどのような形で働いているか(定年前の人にはどのような形を想定しているか)を聞いたところ、6割以上の人が何らかの形で働いている(働きたい)ことがわかりました。定年前と「同じ会社で働いている」(25.1%)が、「違う会社で働いている」(22.8%)を上回り、「フリーランス・自営業」(16.6%)も一定の割合を占めています。
(朝日新聞Reライフ.net 5月20日)
定年が60歳の会社が多く、65歳まで働く人が多い現状では、「定年後も働く」と答える人が6割を超えるのは当然とも言える。定年が延長されれば、定年後も働く人は減るのかもしれないが、働く高齢者の増加は着実に続く。「いつまで働けば」よいのかは、人生観と経済状態によって人それぞれだが、寿命が延びれば、その年齢も高くなる。
高齢になっても働く期間が長くなれば、その働き方が、人生にとって、より重要だ。法改正に伴い、70歳まで雇用を継続する企業が増えれば、「同じ会社で働いている」人の割合も増える可能性がある。一方、退職金を増額する余力のある企業が積極的に実施している希望退職は、「違う会社で働いている」人を増やす方向に作用する。いずれにしても、多くの高齢者が働く場や社会との接点を求める時代となったことは確かだ。高齢者が働くことの満足度を社会にとっても個人にとっても高めるには、社会が高齢者に多様な選択肢を提供し、個人は社会のニーズに応えられる能力を磨くことが重要になる。