企業年金、転職後も増やす 制度選択・期限に注意
中高年・若年層ともに転職が増えている。その際に重要なのが様々な私的年金の持ち運びだ。老後の受給開始まで継続的により大きく増やすために、どんな選択肢や注意点があるのだろうか。
(中略)
DBは会社が掛け金を出し、将来の受給額が確定している企業年金。会社の規約により条件は異なるが、一定年数以上勤務をした人などは退職時に脱退一時金がもらえる。社会保険労務士の谷内陽一氏は「現金のまま持つと、老後に備えるはずの資産を使ってしまいがち。他の私的年金に移換して増やし続けるべきだ」と話す。ちなみに私的年金から私的年金への移換では、その段階で運用益が出ていても非課税だ。課税は実際に受給する時期まで繰り延べられる。
(日本経済新聞 4月25日)
終身雇用から転職が普通の時代に変化している。転職時に企業年金の脱退一時金を受け取れる人は、それを転職先の企業年金に移換するかどうか、検討してみた方が良い。他の資産と同様に自身で運用するのも良いが、年金の場合、課税が年金受給の時期まで繰り延べられるという税制上の利点がある。移転先の企業年金でなくても、企業年金連合会の通算企業年金に移換するという方法もある。
定年退職時か、あるいは、定年間近に転職する場合は、元の会社の年金を脱退せず、継続して運用することが多かった。しかし、若年層の場合は、様々な選択肢がある。年金資産移換(ポータビリティ)をどうするかは、転職時の留意事項のひとつだ。
ポータビリティについては、金融機関でも個別相談に乗ってくれるかもしれないが、確定拠出年金サービス株式会社が一般的な情報を提供している。確定拠出年金(DC)だけでなく、確定給付企業年金(DB)との関係も説明しているので参考にするのも良い。