ミドルの転職、5年で2倍 50歳未満で収入増
中高年の転職が活発になっている。41歳以上の転職者数は2020年度までの5年間で2倍に増え、若い年代より伸び率が大きい。新型コロナウイルス禍をへて企業が新たな成長事業の立ち上げを急ぐなか、経験が豊富な人材への需要が高まっている。即戦力となる中高年の流動化が進めば経済の活性化につながる。
(日本経済新聞 4月17日)
転職者数は全体として増加傾向にあるが、41歳以上は比較的増加率が高い。今まで、転職しなかった中高年が労働市場に出てきている。早期退職や希望退職の募集が相次ぎ、中高年の求職者が増えたこともあるが、企業側も即戦力となる中高年の採用に積極的になってきたことも理由のひとつだ。このため、この記事によれば「転職後に賃金が上がった人の割合から減った人の割合を引いた値は45~49歳で9.7ポイント」と賃金が上がった人の方が多い。40代後半は、キャリアアップが期待できる年代となった。
もっとも、50歳以上では賃金が下がる人の割合の方が多い。大企業から中小企業への転職が多いと賃金が低下する人も多くなる。ただ、50代以降の賃金の低下は、今後、少なくなるだろう。大企業では、年功序列から成果主義への移行を進めており、50代の給与は抑制する傾向にある。一方、中途採用をする企業の方も、60歳を超えて雇用を継続することを前提とするようになり、50歳以上の採用により積極的になってきた。したがって、50代の中途採用者の給与と前職の給与との差は縮小していく可能性が高い。