会社員が現役時代にいくら貯めたら、65歳で完全リタイアできる?

高齢者雇用安定法が改正され、70歳までの雇用機会を与えることが企業の努力義務とされました。その一方で、できれば65歳以降は働きたくないと考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、65歳以降も働き続けることで老後の生活資金を増やすことができますが、逆に考えれば、65歳までに必要な老後資産を形成することができれば、65歳で完全にリタイアすることが可能だともいえます。

(フィナンシャルフィールド 3月17日)

現役時代にいくら貯めたら、65歳で完全リタイアできるのか? この記事の回答は、4,200万円。退職金が2,000万円だとすれば、残りの2,200万円を現役時代に貯める必要がある。老後、どの程度の生活水準を享受したいかによって必要な資産は変わるが、現役時代と同程度のゆとりのある生活を送るとなると、この程度の資産は必要という計算だ。

この計算も、将来のマクロ経済の環境が不変であることを前提としたものであるため、経済環境が激変すれば、必要な資産はさらに増える可能性がある。今まさに、世界経済は、インフレに向かっており、日本経済も無関係ではいられない。円安の影響も加わって、日本の物価は、今後、急速に上昇すると思われる。それでも、日銀は低金利政策を放棄することは政治的に難しい。結果、金利から物価上昇率を差し引いた実質金利は大幅なマイナスとなり、円建ての資産は大きく目減りする。したがって、今後のインフレリスクを考えれば、より多くの資産を貯めるか、あるいは、資産を海外へ移して、高利回りを狙う他ない。資産を貯めるのも大変だが、資産を維持するのもリスクに晒される時代になってきた。65歳完全リタイアへの道のりは、なかなか厳しい。