看板商品は「草だんご」、地産地消にこだわる「道の駅」
宮崎・日南市にある道の駅酒谷(さかたに)の運営会社が、地産地消などの活動に取り組む団体に贈られる「九州農政局長賞」を受賞した。
(中略)
日南市の中山間地域にある道の駅酒谷は、1999年に誕生。地元の農産物の販売や、看板商品・草だんごの製造・販売など地産地消にこだわり、生産者の所得向上に貢献してきた。また、地元の女性を雇用し、高齢の生産者が活動できる生きがいの場にもなるなど、地域活性化にもつながっていることが評価され、今回の賞を受賞した。
(テレビ宮崎 3月14日)
道の駅酒谷が事業を始めて、既に二十数年が経つ。草だんごが看板商品として定着し、安定した利益を生むまでには紆余曲折もあっただろう。そうした中で成功できたのは、地域の幅広い世代が協力して活性化に取り組む活動を継続してきたからだ。創業時に中年だった人々が、今高齢者となって、さらに若い世代と共に仕事をしている。今の中年が高齢者になる頃、看板商品は草だんごから変わっているかもしれないが、こうした世代を越えた協力の仕組みが続く限り、川の流れのように事業の流れは途切れない。
過疎化が進む地方で、地域活性化に事業が長続きさせるには、幅広い世代が参加した地域社会の縮図のような組織を作ることが重要だ。町内会のような組織も良いが、道の駅のような営利事業が加わると持続可能性は高くなる。仕事とその収入は、いつの時代も活力の源のひとつだ。特に、道の駅酒谷は、収益の一部を「酒谷地区むらおこし推進協議会」等に交付し、様々な地域活動を連携して実施してきた。草だんご事業の収益は、それに携わる個人の活力だけでなく、地域の活力の源にもなっている。