60歳職員の「入社式」、スペシャリストで任用 住友生命

住友生命保険は1日、シニア職員の「入社式」をオンラインで開催した。2022年度から定年を65歳に延長するのに伴い、60歳を迎えた職員を対象に新たな人事制度を導入。4月からは職務内容を明確化する「ジョブ型」雇用に準じた形で、経験やスキルに応じて任用する。
 新制度では、職員が60歳時に選択できる進路として「スペシャリストコース」を設けた。シニア職員のキャリア形成を進めるのが狙い。法人向けや個人向けなど、これまでの職務経験や本人の希望に合った仕事をしてもらう。

(時事通信 3月1日)

定年を延長して60歳で退職しなくなったとしても、60歳からジョブ型雇用に切り替わるのであれば、そこで意識を変えることは、本人にとっても会社にとっても重要だ。その儀式を入社式と呼ぶかどうかは別にして、何らかのイベントを行うことには意味がある。

住友生命では、新卒採用でも総合職の他にスペシャリストコースを募集している。たとえば、保険料率の計算をする専門職であるアクチュアリーはスペシャリストコースだ。アクチュアリーは、数学の素養が必要とされるので、60歳になって総合職からいきなりアクチュアリーになるのは難しいが、総合職の中には、営業や経理の専門家は多い。スペシャリストの範囲を広げれば、雇用機会は増える。

問題は本人の意識改革だ。入社式はその契機になる。一方、保険業界では、アクチュアリーから経営者になった人もいる。経営者にならないまでも経営に貢献する専門家になるには逆方向の意識改革も必要だ。スペシャリストといえども、総合的な視点は欠かせない。