団塊ジュニアが直面する「親の75歳以降」4つの難題

2022年は、戦後の「第1次ベビーブーム=団塊の世代」(1947~49年ごろに生まれた人々)と呼ばれる人々が、75歳の「後期高齢者」にさしかかってくる起点の年と言われる。いわゆる「2025年問題」と呼ばれる現象で、2025年までに今後3年間で毎年200万人ずつ、ざっと607万人(総務省統計局、2020年10月現在)程度の人が後期高齢者になり、その人口が約2180万人に膨れ上がる。国民の4人に1人が75歳以上になる計算だ。

(東洋経済オンライン 1月29日)

団塊の世代が抱えるリスクとしてこの記事が紹介しているのは、医療費の増大、公的介護システムの崩壊危機、公的年金の持続性、そして、不動産の相続問題だ。医療費や介護や年金は団塊の世代自身にも降りかかる問題だが、不動産の相続はその子供である団塊ジュニアが主に負うリスクとなる。不動産を相続するとその維持や処理に苦労することは多い。

不動産を相続した場合、対応として最も簡単なのは売却して現金化することだが、過疎地の場合、家は余っていて買い手を探すのに苦労する。都市部でも郊外の一戸建ては、需要が少なく流動性が低い。首都圏でも横須賀市では空き家の増加が社会問題となってきた。全国では団塊の世代の75.3%が一戸建てを所有しているとされており、この処分が団塊ジュニアに託される。

50代にさしかかってきた団塊ジュニアは、自身の老後の生活設計と共に、親が遺すものについても考えておく必要がある。同時に、社会全体の問題として、行政と民間企業が協力し、団塊の世代向けに開発されてきた街をポスト団塊世代向きの街に再生させる努力も重要だ。