高齢者が活躍できる環境整備 別府市の美装管理に厚労大臣表彰特別賞
別府市天満町のビルメンテナンス業「美装管理」(高野浩子代表取締役)が高年齢者活躍企業コンテストで厚生労働大臣表彰特別賞を受賞した。定年年齢の引き上げや休日を取りやすい態勢づくりなどが評価された。美装管理は1974年に創業。従業員50人のうち、70歳以上は13人。今年4月の改正高年齢者雇用安定法に伴い、社員の定年年齢を66歳から70歳に、継続雇用制度の上限年齢を70歳から75歳に引き上げ、就業規則に盛り込んだ。
(大分合同新聞 12月23日)
高年齢者活躍企業コンテストの受賞企業が続々と地元のマスコミで報道されている。それぞれ、地域のモデル企業として、高齢者が働きやすい職場作りのノウハウを地域に発信することが期待される。加えて、大分県別府市の美装管理が行っている「休日を取りやすい態勢づくり」は、地元だけでなく全国の企業が参考にすべき取り組みだ。
高齢者は突然体調を崩して休みを取ることもある。美装管理では、それに備えて仕事を代行できる他の社員を育成し、突然のシフト変更にも柔軟に対応できる体制を整えた。この体制が実効性を持つよう、日頃からシニアと若手がペアとなって仕事をし、ノウハウや技術の共有を進めている。医療の現場で看護師がチームを組んで看護をしているように、業務単位にペアやチームを作って、突発的なシフト変更に組織的な対応をすることは、高齢者の働き方の柔軟性を確保する上で重要だ。同時に、こうした取り組みは、育児や介護で突然休まなければならないこともある世代にも、働きやすさを与えてくれるだろう。