500人の40代男女に聞いた「老後資金はいくら貯まっていますか?」
40代のマイナビニュース男女会員504人を対象にアンケート調査を実施。これまでに貯めてきた老後資金の金額や、老後資金の確保に関して不安に感じていることなどを聞いた。
(中略)
調査の結果、40代のマイナビニュース会員が貯めている老後のための費用は、「わからない・答えたくない」(20.2%)が最多となった。具体的な金額を答えてくれた人の中では、「10万円未満」(18.5%)が最も多い。以下、「100万円以上〜500万円未満」(13.3%)、「老後資金はまだ貯めていない」(11.3%)、「500万円以上〜1,000万円未満」(6.5%)、「50万円以上〜100万円未満」(6.0%)と続いている。
(マイナビニュース 12月2日)
老後に必要な資金は2,000万円という話が物議を醸したことがあったが、これを報告書に書いた金融庁の審議会の事務方は、2,000万円という金額が実現不可能なほど高いとは思っていなかったはずだ。実際、退職金の平均額は2,000万円程度だ。住宅ローンの返済を終えていれば、2,000万円の老後資金は確保できる。公務員である事務方が、自分の退職金を計算してみて、質素に生活すれば何とかなりそうだと思っても不思議はない。
しかし、退職金が多いのは公務員や大企業であって、中小企業ではそれほど期待できない。さらに、非正規雇用の人には退職金がないのが普通だ。国民全体で見れば、退職時に老後資金として2,000万円を確保できる人は限られている。まして、退職十数年前の40代ともなれば、老後資金が貯まっていないのは、むしろ当然だ。40代であれば、教育費がかさむこともあるし、貯蓄よりも住宅ローンの返済を優先することもある。それはそれで、合理的な判断だ。
ただ、大企業でも退職金は減額の方向にある。さらに、ジョブ型雇用の普及によって、退職金そのものの存続も危ぶまれる。誰にとっても退職金に頼らない老後資金の確保は求められる時代になってきた。40代は長期的な視点に立って、生活水準を見直す重要な時期だ。