地域の高齢者を雇用、介護補助業務担う

社会福祉法人みゆき福祉会(山形県上山市)が運営する特別養護老人ホーム「みずほの里」(同)では、昨年2月より、地域の高齢者を雇用。介護補助業務を担ってもらい、高齢者の活躍の場・社会交流の機会としている。
(中略)
入職者の業務は、洗濯物の管理、ベッドシーツ交換、食事の配膳など。体力面を考慮し、1日の労働時間は午前または午後に3~3.5時間、1週間で15時間程度とした。仕事に慣れるまで担当者がトレーニングを実施。日報を通じて困りごとを聞き取り、定期的な面談も行うことで業務に無理がないよう配慮している。

(高齢者住宅新聞 11月27日)

介護施設における高齢者の雇用が広がってきた。介護業界は、もともと人手不足の業界であることに加えて、新型コロナウイルスの影響で外国人の受け入れが滞っており、人手の確保が難しい。高齢者による介護補助は、介護士の負担を軽減する上で、不可欠なものになりつつある。

ただ、高齢者に長く活躍してもらうには、介護施設側に工夫が必要だ。働く高齢者の体力を考慮した業務内容、業務の細分化による労働時間の短縮、マンツーマンの丁寧なトレーニング、上司との緊密なコミュニケーションなど、「みずほの里」が実施している施策は、どれも欠かすことができない。

さらなる工夫をするとすれば、組織のあり方だ。病院では、看護師をいくつかのチームに分けて、チーム単位で看護をするチームナーシングが行われているが、介護の現場でも高齢のスタッフを含めたチームを作り、チーム単位で介護を行うことは意味がある。それによって、チーム内のコミュニケーションが密になり、細分化された業務がチーム内で効率的につながって、高齢者がより活躍することができるだろう。