高齢化・人材確保の切り札は・・・スマート林業に活路
栃木県は土地のおよそ54%が森林に覆われ、豊かな森林を背景に林業が盛んな県です。
しかし、それに従事する人の高齢化が進み人材の育成が喫緊の課題となっています。
(中略)
苗木50本が入った袋をドローンに取り付けて運搬にかかる時間や1度にどれくらいの量を運べるかを確かめました。
(中略)
1袋あたりの重さは6キロから10キロで人が運べる量を2袋とした場合、それを人が山に入って運搬すると往復で1時間弱かかってしまいます。しかし、ドローンを活用することで機種によっては1度に4袋を運ぶことが出来たうえ、往復で3分から5分と大幅な労力の軽減と時間の短縮が可能となることが分かりました。
(とちぎテレビ 11月12日)
AIやセンサーを活用したスマート農業が普及し始めているが、同様に、林業でもスマート化が始まった。重労働が多い林業では、従事者の高齢化に伴い、産業の担い手が足りなくなっている。重労働の作業の機械化、自動化を進め、高齢者でも運営できる産業にしなければ、その存続は難しい。
今回、実験が行われた苗木の運搬は、人が苗木を持って山の中を運ぶ、体力的には厳しい作業だ。平地が多く、農道が整備された農業よりも体への負担は大きく、労働災害の発生確率も高い。ドローンを使って空輸することができれば、作業者の負荷は大幅に軽減され、より安全になる。ドローンの操縦も将来は自動化することが可能だ。そうなれば、高齢者だけで苗木を植えることができる。高齢になって体力が衰えたからといって、林業から引退する必要はない。様々な技術を駆使して作業負荷を軽減することで、高齢者ができることは拡大する。