高齢者3640万人、世界最高の29%
総務省は20日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表した。高齢者は前年比22万人増の3640万人、総人口に占める割合は同0・3ポイント上昇して29・1%となり、いずれも過去最高を更新した。働く人全体に占める高齢者の割合も過去最高となっており、政府は高齢者の就労環境の整備を進めている。
高齢者の男女別内訳は男性1583万人、女性2057万人。世代別では70歳以上は前年比61万人増の2852万人、80歳以上は同46万人増の1206万人となった。一方で、日本の推計人口(9月15日現在)は1億2522万人で、前年より51万人減少した。
(読売新聞 9月20日)
総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が29%を超えた。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2025年には30%を超え、2040年には35%を超えるそうだ。経済成長率のようなマクロ経済の予測は外れることも多いが、人口推計の確度は高い。日本の高齢化は着実に進んでいく。
改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの就労機会の確保を企業に求めているが、こうした施策が成果を上げ、労働力の減少が緩和されたとしても、働く人が高齢者を支えるのは難しくなる。70歳以上の人の増加率は今後も高く、65~70歳の就労者が増加しても、それ以上に70歳超の人口が増加する可能性が高いからだ。
早晩、「70歳までの就労機会の確保」ではなく、「年齢に関係ない就労機会の確保」が求められることになりそうだ。