「自分はシルバーではない」元気シニア増加、報酬を重視
全国のシルバー人材センターの会員数が19年ぶりに70万人を割り込んだ。企業で働く高齢者が増えた影響で会員獲得に苦戦していたところに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた形だ。元気なシニア層が増える中、「自分はシルバーではない」と考える人や、生活のために報酬を重視する層の“シルバー離れ”を指摘する声もある。
(読売新聞 9月15日)
コロナ禍の中で会員を増やした多摩市シルバー人材センターの例もあるものの、全国的には、シルバー人材センターの会員数は減少している。新型コロナウイルスの影響は、感染の終息とともに、小さくなるが、元に戻るとは限らない。
新型コロナウイルスの感染リスクが小さくなっても、再び働こうとはせず、労働市場から退出してしまうシニアも一定数いる。再び働く意欲のあるシニアも、シルバー人材センターに参加するとは限らない。米国やEUで起きているように、ポストコロナの初期には、急速な経済回復に伴って、求人が急増し、賃金が上昇する。本格的な就労を望むシニアは、より高い収入を得られる仕事を選択し、「生活のために報酬を重視する層の“シルバー離れ”」が助長される可能性がある。
シルバー人材センターも、シニアのニーズの変化に柔軟に対応し、仕事の内容と報酬について、選択肢を多様化することが求められる。