おじいちゃんAI人材が爆誕
定年の65歳延長を2025年に控え、企業がシニア層をどう活用していくべきか――が大きな課題となっている。そんな中、高齢者には縁遠いイメージのあるAIに関する業務で地方のシルバー人材を活用するのが、アプリケーション開発やシステム構築、保守・運用などを幅広く手がけるライトカフェ(東京都渋谷区)だ。
(ITmedia 8月13日)
AIに関連する業務のひとつであるアノテーションを高齢者に担当してもらう事例が増えてきた。この記事が紹介している「ライトカフェ」の事例も度々メディアで取り上げられている。
アノテーションは、AIの学習データを作成する業務の一環で、データが何であるかのラベルを付加する作業だ。ディープラーニングによるAIは教師あり学習と呼ばれ、AIに学習させるデータには正解の情報がラベルとして付けられている。つまり、教師が正解を教えながら生徒を学習させるというイメージだ。花の写真データに「朝顔」などの花の名前をラベルとして付加して学習させると、AIは大量の写真データからどれが朝顔かを識別できるようになる。
このアノテーションには、データを認識してラベル付けするための人手が必要だ。一方、認知機能に問題がなければ、高齢者であっても障害者であってもアノテーションをすることができる。そのため、アノテーション要員として高齢者への期待が高まってきた。特に日本語のラベルを付加する必要がある場合には、外国人よりもネイティブな日本語スピーカーである日本人の高齢者の方が適している。市場規模としては、まだ、それほど大きくないが、高齢者の雇用機会として、今後、成長が期待できる分野のひとつだ。