人形町に抹茶カフェ 経営者は元電通社員 早期退職で新しい働き方
東京・人形町にオープンした抹茶カフェ。プロデュースしたのは、大手広告代理店・電通を辞めた女性です。同じように早期退職した社員は200人以上、働き方を変えたいという思いからでした。
2日、人形町にオープンした抹茶カフェ「ATELIER MATCHA」。店でたてた本格抹茶をカジュアルに楽しめるドリンクやスイーツを販売しています。使われているのは京都の老舗製茶問屋の抹茶で、カフェに乗り出すのは初めてです。
その立役者となったのが・・・、元電通社員の長尾千登勢さん(52)です。電通時代は大手企業や官公庁の海外発信を担当。30年近く勤めてきましたが去年12月に退職し、電通では難しかった中小企業や団体とのビジネスに打ち込めるようになりました。
(TBS 8月2日)
大企業や官公庁などの大きな組織にいると、取引先もまた、大きな組織であることが多い。日々、多様な業界の人々と取引をしているつもりでも、そこで会っているのは、進学校を経て難関大学を卒業し、大企業や官公庁に就職した、同じような経歴の人だけであったりする。その同質の世界の外には、もっと多様な人々とビジネス・チャンスが拡がっていることには、なかなか気づかない。
早期退職をして新しい生き方を模索するなら、今までとは違う世界にも目を向けるべきだ。大組織のやり方がそのまま通用せず、苦労するリスクもあるが、一方では、自分の新たな適性を開花させ、今までとは違う形で社会に貢献できる可能性もある。
この記事が紹介した電通の子会社「ニューホライズンコレクティブ」には、電通を早期退職した約230人が個人事業主として登録し、社外の業務を受託する。この会社は、従業員に対して、事業主としてのリスクを背負わせるという面もあるが、文字通り自分の地平線を拡げる機会を与えてもくれる。そして、同時に、電通にとっても、自社の事業領域の地平線を拡大する契機となるだろう。