塊肉を食べたいシニアに大受け、味の素スチーミー

「スチーミー」は、味の素が2020年3月に発売した合わせ調味料入りのパウチ商品だ。肉を入れてもみ込んで電子レンジで調理すれば、肉を加熱したいわゆる「チャーシュー」が出来上がる。
(中略)
ターゲットは、「仕事や家事で忙しく過ごすイマドキの生活者」だという。若年層やファミリー層、シニア層など幅広い世代を想定していた。意外だったのは、予想以上にシニア層からの支持が強かったことだ。シニア層は趣味や習い事などで忙しく生活している人が多く、簡便な調理のニーズが想像以上に高かった。
(日経クロストレンド 6月15日)

現役を引退したシニアは時間が有り余っているというステレオタイプの見方は、今や正しくない。アクティブな人は、年齢に関係なく存在する。仕事や趣味に多くの時間を割くアクティブシニアは、高齢になっても忙しい。忙しいシニアは調理に時間をかけたくないので、パウチに封入されたレトルト食品をよく使う。電子レンジや熱湯で温めるだけで、簡単に料理が出来上がるのは便利だ。加えて、パウチに入った商品なら1食分ずつ簡単に調理することができるので、単身のシニアでも使いやすい。

近年では、レトルト食品のバリエーションも拡がって、自分で作るより多様な料理を楽しむことができるようになってきた。チャーシューは、ゼロから自分で作るのは難しいが、レトルト食品で簡単に作れるなら食べたい一品だ。レトルト食品のターゲットとしてシニアの比重が増していく中、今後は、始めからシニアをターゲットとした商品も増えてくるだろう。食生活の質を落とさず調理の時間をセーブすることができれば、仕事や趣味により多くの時間を費やすこともできる。