役職定年後のミドル・シニアが生き生き働く職場やマネジメントのヒントとは

株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、役職を外れた経験(ポストオフ経験)のある50~64歳の会社員766名に対し、「ポストオフ経験に関する意識調査」を実施し、「ポストオフ前にすべき準備」や「ポストオフ後の適応感を高めるマネジメントのポイント」など、調査結果から見える実態について公表しました。
(リクルートマネジメントソリューションズ 6月1日)

管理職でなくなることによって、給与や権限・責任が減り、逆に、自由や精神的な余裕を得るのは、多くのポストオフ経験者に総じて見られる傾向だ。一方、役職離任後の新たな環境で満足感を得られるかどうかは、人によって異なる。

この調査では、ポストオフ後の仕事に対する意欲・やる気について、「一度下がった」と答えた人は6割近くにのぼった。管理職として配下の組織のパフォーマンスを上げることを目標に努力してきた人にとって、成果の評価尺度が個人の業績のみになることは、モチベーションの低下につながることが多い。

しかし、意欲・やる気が「一度下がって上がった」人も2割前後いる。一旦は意欲を失ったものの、新たな環境にある程度順応して、新たなミッションを果たすことにやりがいを感じることのできた人たちだ。残りの4割前後は「下がったまま」なので、下がっている人の方が多いとも言えるが、むしろ、一旦下がっても上がる人が一定数いることに着目して、その要因を探求すべきだろう。

意欲・やる気を上げる要因のひとつは職場環境だ。モチベーションの向上には、本人の努力も必要だが、職場環境の改善も求められる。この調査では、「誰の発言も真摯に受け止められ、独自の才能が生かされ、年齢によらず良い仕事が評価される」風土が重要であることが示された。管理職は、自らが管理責任を負っている組織をこのような風土に改善していく努力をしなければならない。そのことが、自らのポストオフ後のやる気につながることになる。