20代の3割「シニア社員が給料をもらいすぎている」と回答
パーソルHDは5月28日、「シニア従業員とその同僚の就労意識に関する定量調査」の結果を発表した。調査は1月6日〜12日、50〜60代のシニア従業員3,000名(うち正社員2,409名)、および20代〜40代の若手従業員3,000名(性年代均等割付)を対象にWEBで行われた。
(中略)
シニア人材の処遇に対する不公平感について質問したところ、20代の約30%、30代の約27%が「シニア社員が給料をもらいすぎていると思う」「シニア社員が成果以上に評価されていると思う」と回答。その割合は年代が上がるに連れ低くなる傾向が見られ、60代では12%程度だった。
(マイナビニュース 5月30日)
日本企業では、年功序列が崩れてきているとはいえ、まだ、若手の給与は相対的に低い。若手から見れば、現場で日々、タスクをこなしている自分と比べ、会議に多くの時間を費やす上司の方が厚遇されているようにも見える。まして、管理職としての仕事もないシニア従業員に対しては、厳しい評価になりがちだ。
一方、シニア従業員は、役職定年や60歳以降は給与水準が低くなり、自分の能力に見合った待遇を得ていないと感じている。この調査では、定年後再雇用で働いているシニアの過半数がほぼ同様の業務を行っているが、その年収は平均39.3%下がっていた。これでは、働くモチベーションの維持は難しい。
こうした若手とシニアとの間の認識の差を解消するには、能力と成果に連動して処遇を決めるジョブ型雇用に転換することが効果的だと期待されている。確かに、業務の内容と待遇の関係が明確に定義できれば、誰にとっても納得感は増す。ただ、従来のメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ移行することで、従業員の満足感が増すかどうかは微妙だ。ジョブ型雇用では成果が出せなければ賃金の減額もある。ジョブそのものが減ったり無くなったりすれば、解雇もあり得る。そうした厳しさを合わせ持っていることにも留意すべきだ。