ダイキン、希望者70歳まで再雇用成果に応じ賞与4段階
ダイキン工業は30日、2021年4月から社員が希望すれば70歳まで再雇用すると発表した。これまでは60歳の定年後、再雇用は65歳までだったが5年延長する。原則一律としてきた賞与も成果に応じて4段階に分けて支給し、ベテラン人材の意欲を引き出す。現在は65歳までを再雇用期間と位置づけ、それ以上の年齢については会社側が求める人材についてのみ「シニアスキルスペシャリスト契約社員」として雇用している。60歳以上65歳未満の再雇用者は500人ほどおり、制度変更により70歳まで働けるようにする。
(日本経済新聞3月30日)
大企業では、改正高年齢者雇用安定法の施行に合わせて、70歳までの雇用を可能にする人事制度の導入が相次いでいる。法が求めているのは努力義務ではあるが、大企業としては、何らかの目に見える対応をする社会的責任もある。
ただ、高齢になればなるほど、個人の意欲と能力の多様性は大きい。会社としても働くシニアとしても、一律の働き方と報酬では、労使のマッチングに無理が生じる。結果、大企業では、シニアの待遇に差を付けるよう制度を改正することが一般的になってきた。
ダイキン工業の場合は、賞与に差を付ける。恐らく、目標と成果について上司と認識を共有しながら賞与を決める成果評価方式をとることになるだろう。合理的ではあるが、往々にして、合理的であるが故に、社内ではシニアだけ成果評価で賞与に差を付けるのは不合理に思えてくるものだ。シニアの評価制度の変化は、現役層の評価制度の変革にもつながるに違いない。