福岡市にシニア・ハローワーク企業側の雇用創出も
福岡市と福岡労働局は16日、60歳以上の求職者の就業を支援する「シニア・ハローワークふくおか」を29日に開設すると発表した。高齢者に絞った取り組みは北九州市に続いて全国で2例目。働きたい高齢者が増える一方で、実際に雇用に結びつく人は限られており、就業支援に加えて企業側の雇用の創出も狙う。
(日本経済新聞3月16日)
以前、福岡市のシニア・ハローワークのニュースを紹介したが、開設を前に、その詳細が明らかになった。通常のハローワークとの違いは、シニアに特化しているということだけでなく、自治体と協力して企業への雇用の働きかけも行う点だ。窓口業務は、今までのハローワークと同様、厚生労働省の福岡労働局が担うが、企業の雇用創出は福岡市が行う。福岡市は企業訪問による雇用開拓、職場環境整備のためのコンサルタントの派遣、人材活用ワークショップなどを通じて雇用機会の拡大を図る。
従来、厚生労働省の機関であるハローワークでは、企業への働きかけに限界があった。今後は、そこを地元経済界と関係が深い自治体が補完する。求人と求職のミスマッチを減らすには効果的だ。
シニア・ハローワークは、国家戦略特区を活用した就職支援の取り組みだが、こうした国と自治体が協力した高齢者に対する重点的な就職支援は国家戦略特区でなければできない、というところに日本の問題がある。内閣総理大臣の認定が必要な特例措置ではなく、全国共通の普通の制度にすべきだ。