定年後もバリバリ働け!「やる気」アップ作戦
定年退職後の再雇用では給料が下がり、責任も減る。バリバリ働くより、むしろゆっくり人生を楽しみたい――。定年後はそんな働き方を理想とする人も少なくないだろう。だが、本当にそれだけでいいのだろうか。(中略)タニタでは毎年、定年を迎える8割程度の社員がタニタ総研での再雇用の道を選ぶ。だが、一部の社員にとって、その道は決して満足のできるものではなかった。スローライフな働き方を望む人には適しているが、バリバリ働き続けたいという意欲を持つ人にとっては、もの足りなかったのだ。
(日経ビジネス3月6日)
タニタでは、タニタ総研での再雇用を望まなかった人は、個人事業主として会社と業務委託契約を結んで仕事を継続する。報酬は個別に決められるが、一般的には、再雇用より高い。場合によっては、正社員であったときより高くなる可能性もある。他社からも受注すれば、個人事業をさらに成長させることもできる。将来の法人化も夢ではない。
一級建築士などの資格を必要とする職業や放送局のアナウンサーなどでは、今までもこうしたフリー化がよく行われてきたが、日本企業の一般的な業務では、まだ珍しい。ただ、今後は、多様な働き方を求める高齢者の増加に伴い、非正規社員の正社員化と正社員のフリーランス化が同時に起きることになるだろう。
そして、この変化はシニアだけでなく、全ての世代の働き方に影響を与える。実際、タニタでは、30代で個人事業主制度を利用している人もいる。日本も企業と働く人との関係が全世代に渡って多様化する時代になってきた。