65歳からのお仕事図鑑業種は?時給は?
人生100年時代を迎え、シニア世代のセカンドキャリアに注目が集まっている。「70歳まで働ける社会」に向けて国や企業は対応を進めるが、全員がそのまま今の職場で働き続けられるわけではない。(中略)労働政策研究・研修機構の調査(2019年)で「65歳以上の希望者全員をできるだけ雇用したい」とした企業は42.7%で半数以下。一方、総務省の労働力調査(2020年)では、65歳以上の役員を除く雇用者約510万人のうち、パートや派遣など非正規が約390万人と8割近い。嘱託などの形で働き続ける道もあるが、「今の職場から離れ、非正規で働く」のは現実的な選択肢だ。
(日本経済新聞2月26日)
定年が廃止されたり延長されたりする企業が増えているとはいえ、65歳を超えて雇用し続けたいと思っている企業は、まだ半数以下なのも現実だ。70歳までの雇用機会の提供が企業の努力義務となっても、全員が今までの企業で働き続けるのは難しい。高齢者の一定数は、今後も「今の職場から離れ、非正規で働く」ことになる。
この記事で紹介されているマイナビの調査によれば、非正規のシニアの仕事としは「販売・接客」「警備・交通誘導」「清掃」「介護」「事務・データ入力・受付・コールセンター」の5業種が多いという。 新型コロナウイルス感染症の影響で外食・小売などのサービス業が低迷しているため、販売・接客の雇用は縮小しているが、それ以外の職種は、コロナ禍の中にあっても一定の求人がある。高齢者にとっては、見つけやすい仕事だろう。
ただ、これらの仕事では、体を使う業務が多く、それまで培ってきたノウハウが活きる場面は少ない。医師や弁護士は70歳を過ぎても医師や弁護士の仕事を続ける。しかし、資格で能力を示すことのできない仕事は、過去の経験は語れても、今の能力を客観的に表現することは難しい。高齢者の雇用機会を「健康な体を持っている」こと以外の強みを活かせるように拡大するには、求職者の能力を客観的に評価する仕組みが重要だ。