シニアも成果主義カシオ給与変動、明治安田は管理職に
働き方の多様化で定年がキャリアのゴールではなくなるなか、シニア人材にも競争を促し生産性の底上げを狙う企業が出はじめた。カシオ計算機は50歳以上の社員限定で副業を全面解禁し、60歳以上のシニア社員を対象に成果主義を導入した。システム開発のTISなどでも同様の取り組みが進む。シニア人材は労働力人口の3割を占め、各社とも活用を急ぐ。(日本経済新聞2月4日)
70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となり、人件費全体に占めるシニアの割合が増加傾向にある今、「シニアも成果主義」というより、「シニアこそ成果主義」にせざるを得ない状況になってきた。定年後の再雇用の賃金を一定程度引き下げたとしても、シニアが価値を生まなければ、企業はコストに見合う成果を得ることはできない。シニア層の生産性を上げるには、一律の給与体系から成果に基づく処遇に変える必要がある。また、成果主義にすれば、副業もやりやすい。副業をすることによって成果が少なくなれば、それに応じて報酬も引き下げることになり、労使双方にとって合理的だ。働く側は、副業も含めて、自分の労働時間の配分を最適化しようとするため、仕事全体の生産性は上がる。企業にとっても、従業員が自社では生産性の高い仕事だけを行ってくれるので、費用対効果、即ち、人件費対成果は高くなる。早晩、シニアの市場価値は副業市場が決める時代になるのかもしれない。