高齢でも働きやすい職場、高評価 上越「新潟アパタイト」が受賞
高齢者が働きやすい職場づくりの事例を全国から募集する「高年齢者雇用開発コンテスト」(厚生労働省、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構主催)で、上越市柿崎区の精密ばねメーカー「新潟アパタイト」が、厚労大臣表彰の特別賞を受賞した。特別賞は最優秀賞、優秀賞に続く快挙。製品の点検の際、規格外のものを目視に頼らず仕分けられる治具を導入するなどの取り組みが評価された。
(新潟日報 12月13日)
高齢でも働きやすい職場作りで欠かせないのは、業務プロセスの中で高齢者の弱点を補う工夫をすることだ。高齢になると、体力が落ちたり、瞬時の判断力が衰えたりすることがある。新潟アパタイトでは特殊な治具を使用して製品検査の作業を単純化し、高齢者でも間違うことなく効率的に検査できるようにした。
AIや画像認識を使って製品検査を自動化するというアプローチもあるが、すべての検査が機械化できるわけではない。できるとしても、巨額の投資が必要になることもある。その一方、ちょっとした現場のアイデアを取り入れて業務プロセスや道具を改善することで、高齢者の作業が楽になることも多い。この作業は高齢者には無理とあきらめるのでなく、まずは、大きな投資をしなくても作業を改善することができないか、常に問いかける意識を持つことが重要だ。