建設業界に“シニア世代のベテラン従業員”は必要?
総合人材サービス業を展開するJAGフィールド(愛知県名古屋市)はこのほど、建設会社の経営者1062人を対象とした「シニア世代のベテラン従業員に関する調査」の結果を発表した。
(中略)
「建設業界においてシニア世代のベテラン従業員は必要ですか」との質問では、約9割が「必要」と回答した。シニア世代のベテラン従業員が必要な理由では、「安心感があり、アドバイスをもらえるから」、「技術力や指導力が身に付いているから」などの回答が寄せられた。
(新建ハウジング 12月4日)
建設業界は、高齢化が進む業界のひとつだ。現場作業は若手に敬遠されて、人集めが難しい。人が集まらなければ、技能の継承も困難になり、スキルの高い技能職を育てることも適わなくなる。
作業員だけでなく、施工管理や工事監理の仕事でも担当者の確保は難しい。作業員は、外国人労働者で不足を補うこともできるが、一定のスキルと資格が必要な現場監督は簡単には増やせない。自ずと、スキルと経験を持ったシニアへの期待が高まる。
このため、建設業界では、シニアの流動化が進んできた。大手ゼネコンを定年退職した技術者が中小企業に転職することは今や普通だ。このアンケートでも、4割以上の企業経営者が、「シニア世代の求職者の採用数」を増やしていると回答している。シニアの能力が企業の壁を越えて共有されることは、建設業界全体にとってプラスになるだろう。