シニア雇用、実力本位で選別

70歳までの就業確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が、来春施行される。企業は個々のシニア社員の専門能力などを精査し、選別雇用を始めている。管理職を務めたシニア社員であっても、意識を変えて第一線の現場で成果を出すことが求められる。
(日本経済新聞 11月6日)

就業を継続する年齢が高くなれば、給与体系は自ずと年功序列から成果主義へ移行せざるを得ない。このとき、求められる成果は、年齢によって異なるのが一般的だ。若い担当者は担当業務に精通し、その業務で高い成果を出すことが求められる。管理職になると、任された組織全体のパフォーマンスが評価対象となる。管理職としては、自分一人で成し遂げることよりも組織全体がその能力を最大限に発揮するようマネジメントすることの方が重要だ。しかし、さらに年齢を重ねて、役職を離任し、管理職でなくなると、再び、マネジメント能力よりも個人の専門能力が問われるようになることが多い。

こんため、若くして管理職になったエリート社員の方が、役職離任後のポジションが得にくいということもありうる。これからの管理職は、管理職になってもマネジメント以外の自分の専門能力を磨き続けるか、あるいは、マネジメント能力を究めてコンサルタントとして通用する域に達するか、どちらかの道を歩む必要がある。