NPO支える黒子はシニア 社会貢献を感じられる場に
NPO法人のジービーパートナーズ(GBパートナーズ、東京・港)は他のNPOが困っている業務を引き受ける全国でも珍しい団体だ。そこには、リタイアしたら自分の時間を楽しみながら、社会貢献にも携わりたいというシニアが集う。自由時間を確保しつつ、様々なNPOを支える黒子として第二の人生を満喫する人が増えている。
(日本経済新聞 10月29日)
NPOの支援は、社会に貢献する手段として、高齢者に人気がある。NPOでは、働き方に多様性があり、高齢者の選択の自由が大きい。報酬は少ないため、NPOからの収入だけで生活することは難しいが、年金など他に安定した収入がある人にとっては、報酬よりも社会貢献の実感を得ることの方が、価値があったりもする。生活の満足感を得るためにお金を使う人が多い中、わずかとはいえ、お金をもらって生きがいを感じられるのは得だ、と言えないこともない。
しかし、シニアへの報酬が少ないからといって、NPOがコストダウンを目的としてシニアを雇っているとしたら、シニアの参加は社会全体の生産性向上を阻害していることにもなる。シニアも作業を低コストで手伝うだけでなく、今までのビジネスで培ってきたノウハウを使って、NPOの業務効率化に貢献するべきだ。その方が、より大きな社会貢献につながるに違いない。