シニアの力で落花生好調 小松市の農園
秋の味覚が旬を迎える中、小松市シルバー人材センターが運営する同市花坂町のスマイルシニア農園は、実が大きく甘い落花生「おおまさり」の栽培・収穫を今年から本格化させ、同市蓮代寺町の道の駅こまつ木場潟で販売している。
おおまさりは2007年、千葉県が開発した新品種。甘みが強くて実が柔らかく、ゆで豆に最適とされる。シニア農園は昨年から試験的に栽培し、売れ行きが好調だったため、今年は栽培量を1.5倍に増やして他の品種を育てるのをやめた。
(中日新聞 10月25日)
シニア向けの求人情報を集めるのもシルバー人材センターの役割だが、小松市のシルバー人材センターは、自ら農園を運営し、雇用を生み出している。2014年にオープンしたスマイルシニア農園では、20名を超える高齢者が、落花生の他、薩摩芋やニンニク、玉ねぎを栽培して出荷してきた。大根寿司や干し芋、なすの塩漬けなどの加工品も製造し、道の駅や小松空港でお土産品として販売している。
小松市シルバー人材センターは、人材は地元のシニア、原料は地元の特産物、販売も地元のお土産販売店と、地域の資源を効果的に結びつけたバリューチェーンを構築し、それを持続的に運営することに成功した。営利事業の側面がある以上、損失を出すリスクもあるが、利益よりもシニアの生きがいを重視する経営を堅持すれば、必要以上の事業リスクを取る必要もない。地方におけるシルバー人材センターの活動の方向性として参考にされるべき事例のひとつだ。