70歳まで継続雇用39% 石川県中央会が労働実態調査
石川県中小企業団体中央会が373事業所を対象に実施した労働事情実態調査(速報)で、70歳までの就業機会確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法について「把握している」と回答した事業所は52・7%だった。このうち、70歳までの継続雇用制度の導入を予定しているのは39・9%だった。
調査は7月1日時点で、60歳以上の人員を現在雇用している事業所は82・8%だった。
(北國新聞 10月10日)
改正高年齢者雇用安定法は、既に国会で成立し、2021年4月1日から施行される。しかし、地方の中小企業では、その内容はまだ半分ほどの企業にしか浸透していないようだ。70歳までの就業機会の確保が、企業の義務ではなく、努力義務にとどまっていることも、その理由のひとつかもしれない。
ただ、施行されれば、その適用状況を見ながら、部分的な義務化へ向けた更なる法改正が行われていくことになる。就業機会確保のための具体的な措置の導入には、一定の時間を要することを考慮すれば、早く今回の法改正の内容を把握し、中長期的な視点で、高齢者の雇用制度の設計に取り掛かるべきだ。
このとき、特に、今後の事業環境の変化に留意する必要がある。新型コロナウイルス終息後のポスト・コロナの時代は、コロナ以前の事業環境とは異質な世界かもしれない。高齢者が今まで担当してきた事業や業務は、存在しなくなる可能性もある。働き方の多様性だけでなく、担当する業務の多様性も高める施策も必要だ。