デジタルデバイドはシニア層でも、DX社会を待望する人はおよそ半数
今月15日、NRI社会情報システムは、シニア世代が抱く「社会のデジタル化」に対する期待や不安、生活の満足度(Well-being)との関係性、マイナンバーカードや多様な情報源の利用実態・意向について、全国の50歳~79歳男女3,000人へのネット・アンケート(今年3月実施)結果をまとめて分析し公表した。いわく社会のデジタル化に期待しているシニア世代は57.9%。否との回答は32.7%であった。
(bp-Affairs 7月19日)
今回の調査を行ったNRI社会情報システムのニュースリリースでは「急速なデジタル普及への期待と不安、デジタルデバイド拡大の懸念」という副題が付けられている。どうやら、デジタル化に期待している人が半数を超えてはいるものの、期待しない人が3分の1に上ったことに着目したものと思われる。ただ、これは、「シニアの中にはデジタル化に抵抗感を持つ人が他の世代に比べて多い」という常識に影響された見方かもしれない。
期待しない人のうち半数は「個人情報が漏洩されるリスクが高くなると思う」をその理由としており、以下、「今の生活に不自由はない」「監視社会になることが不安」が続いている。「新しい技術や機器を使いこなせる自信がない」といういかにもシニアらしい理由はその次の4番目でそれほど多くない。個人情報が本人の同意なしに収集、利用され、違法に漏洩、拡散されたり、企業や国家によって独占されたりすることに、懸念を持つのは、年齢に関係なく自然なことだ。これらの懸念は、期待すると答えた人でも、ある程度持っている。
個人情報保護の実効性を高め、一方で、「今の生活に不自由はない」と思っているシニアが高く評価するような新たな付加価値を提供することが、シニアのデジタル化への期待を高める上で重要になる。