大津屋が「高年齢者雇用開発コンテスト」最優秀賞
厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構との共催で実施している本年度の「高年齢者雇用開発コンテスト」で、コンビニエンスストアを展開する「大津屋」(福井市)が厚生労働大臣表彰最優秀賞に選ばれた。
(中略)
大津屋は従業員約三百人の二割余りが六十歳以上で、最高齢者は七十三歳。表彰のポイントとして、夜間専門スタッフや原則四時間勤務などの多用な就労形態▽能力を客観的に判断する評価制度▽自動釣り銭機や人工知能(AI)を活用した総菜自動会計システムの導入でレジ作業の負担軽減−が評価された。
(中日新聞 10月4日)
毎年行われている高年齢者雇用開発コンテストだが、今回は地方のコンビニが最優秀賞となった。大手コンビニチェーンと同様、地方のコンビニも高齢者の雇用に積極的に取り組んでいる。足元では、コロナ禍で雇用情勢が悪化しているとはいえ、長期的にはコンビニの人手不足は深刻だ。特に、地方では若い人や外国人を雇用することは難しい。
今回受賞して福井のコンビニ、大津屋は、就労形態や人事評価制度の工夫に加えて、機械やAIを利用した作業負担の軽減にも力を入れていることが特徴的だ。大手コンビニチェーンではAIの活用は、顧客の購買情報の分析などのマーケティング分野から始まったが、大津屋は高齢者の作業負荷を軽減することに着目した。小さなコンビニでは、地域の小規模な業者から仕入れることもあり、バーコードが付いていない商品も扱う。総菜はその典型だ。人間の目の代わりにAIが総菜を識別して自動的に計算してくれるのは、高齢の店員にとってありがたい。高齢者が苦手な作業を新たな技術が支援することによって、高齢者の雇用機会は更に拡大するだろう。