65歳以上、4人に1人が就業、総務省推計
総務省が敬老の日を前にまとめた15日時点の人口推計によると65歳以上の高齢者人口は前年比30万人増の3617万人だった。総人口に占める割合は0.3ポイント上昇の28.7%でともに過去最多を更新した。2019年の65歳以上の就業者数は18年より30万人増の892万人で過去最高だった。
「団塊の世代」と呼ばれる1947~49年生まれを含む70歳以上の人口は78万人増の2791万人となった。後期高齢者医療制度の対象となる75歳以上人口は24万人増の1871万人に上った。
(日本経済新聞 9月20日)
予想されてきたことではあるが、日本の高齢化は着実に進んでいる。団塊の世代は既に70代となり、社会保障をその子供の世代である第2次ベビーブーム世代が支えている。しかし、その後少子化が進み、第2次の後に第3次ベビーブーム世代が控えているわけではない。第2次ベビーブーム世代が65歳以上となる2040年頃には、支える側の人口は急激に減り、社会保障制度の持続は危うくなる。
現在、65歳以上の就業率は24.9%だが、これを更に引き上げ、20年以内に、65歳以上の就労が普通とみなされる社会に移行する必要がある。そのためには、70歳までの雇用継続を促す制度も一定の効果はあるが、何より、働く意欲のある高齢者と雇用する側のニーズのマッチングをより良くすることが重要だ。今回の総務省の調査では、非正規の職員・従業員の高齢雇用者に非正規である理由を聞くと、「自分の都合のよい時間に働きたいから」と答えた人が最も多かったという。非正規、正規を問わず、働き方に、より柔軟性と多様性を持たせることが、就業率向上の鍵となる。